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ペットとインテリア 第1回 2005年7月5日号
 
-JKC登録数だけで-
小型犬50万頭が室内で同居
 
ペットとインテリア現在、国内最大の純血種登録機関であるJKCに登録されている犬の数は561,713頭です(2004年度調べ)。
詳細を見ると一位のダックスフンド(159,272頭)二位のチワワ(80,923頭)などをはじめとして、ほぼ九一%が小型犬で占められています。
小型犬のほとんどは室内飼いが基本ですので、トータルすれば純血種だけで511,158頭、約50万頭が人間と共に室内で暮らしていることになります。
大型犬でも家族として共に室内で暮らす傾向が見られるようになり、また猫も最近では感染症や怪我、虐待などの危険性から完全室内飼育の割合が増加している事、その他雑種の室内飼育などを併せれば、アメリカに次いでペット飼育率の高い国と言われるのも納得できるでしょう。
そして、それは同時にそれだけの世帯にペットインテリアの需要の可能性があるということです。
従来の番犬、使役犬から家族の一員として犬や猫が人間と一緒に室内で生活するのがごく自然な社会現象として定着しつつある一方で、その生活の基盤となる室内環境問題もまた多くなっています。
もともと生態も習性も違う人間と犬や猫が同じ室内で共生するわけですから、不都合が生じない方が不思議である反面、人間にとっても、犬や猫にとっても快適な室内空間をつくりたい、と願うのも当たり前の流れです。
私達人間と、そして共に暮らす動物が、いつでも気持ちよく暮らせる室内を考え提案していくこと、それがペットインテリアの1番大切なニーズです。
また動物に優しい室内とは、実は我々人間が生活する上でも同じように優しい室内であることが多い、ということも是非知って頂きたいと思います。
例えば、人間が滑る床は、犬や猫も滑り、関節や腰を悪くする一因となりますし、人間がつまずく段差は動物にも危険です。それを考えれば、バリアフリーは高齢者に対してのみの仕様ではなく、実は犬などにとっても健康上優しいものなのだ、と理解いただけると思います。
さまざまなマテリアルを開発するメーカーサイドも、それを提案し、提供していくショップサイドも、社会背景や顧客一人一人のニーズを正しく把握し、動物、人間、どちらかに偏るのではなく、どちらにも気持ちよい室内を真剣に考えて欲しいものです。

  
インテリアコーディネーター
愛玩動物飼養管理士一級
中田かおり
http://www.ang-factory.com